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中学受験スタートアップガイド

これから中学受験を目指そうとする小学生の保護者の方に、心がけておいてほしいポイントをいくつかあげてみます。

 書き出せばきりがないので今回は、まず、中学入試までの大まかな流れを述べます。そして、日々の学習を進める上で考慮すべき点について述べます。

中学入試までのロードマップ

首都圏で中学受験を目指す場合、小学校3年生の2月からその準備を始めるのがもっとも無理がないと思います。

四谷大塚の提携塾である当教室では、小学4年生と5年生で入試に必要な知識を習得します

そして、小学6年生になると、それまで学習してきた学習項目を融合した応用問題を解くことで、入試に対応した力をつけることを目指し、6年生後半では志望校の出題にあわせた問題演習を行います。

上記の流れが多くの中学受験生がたどる行程だと思います。したがって、開始時期がこれより早ければ、上記のスケジュールを余裕を持って遂行できることになるでしょうし、これよりもスタートが遅ければ、時間的によりきつめの学習が必要になってきます。

学習計画が最初の一歩

中学受験で要求される知識の量はかなり多いので、決められたカリキュラムを確実にこなしていかなければ、必要な学習項目を習得することができません。

そのためには、あらかじめ計画を立てて日々それを実行していかなければなりません。毎日やるべきことがわかっているからこそ、毎日学習する習慣が身につくのです。

しかし、計画を実行するのはお子さまです。自分自身のことを振り返ればよくわかりますが、計画通りに実行することはかなり困難なことです。それをやり遂げるには、目的達成への強い意志が必要です。

価値観の共有と学習の習慣化

中学受験は小学生にしっかりとした学習習慣・基礎学力試練を乗り越える力をつけさせるなど、お子さまを成長させる最良の機会だと思いますが、中学受験をするのもしないのも自由です。

「勉強はしなければならないもの」とか「自分は中学受験をする」という明確な意識が働いて初めて、計画を遂行しようとする意識が生まれます。

中学受験をさせるのは親の決断ですから、決断した以上はゴールにたどり着くまで揺らぐことなく、目的を達成するためのあらゆる手段をとるべきです。

学校説明会に参加したり、学園祭にお子さまとともに参加したり、家族が一体となって中学受験の意識を高めていかなければなりません。

しかし干渉しすぎてはいけない

ただし、家庭で直接学習を見ることができるのは小学4年生までです。

中学受験のための学習では、小学校での学習と違い、処理しなければならない情報が膨大です。それらの出入りを適切に管理するためには、学習を円滑に進めるための技術が必要です。机周り・教材・プリント類の整理の仕方、ノートの書き方、計画の立て方、テスト準備やテスト直しの仕方などがそれらにあたります。

また、九九を十分習得していなかったり、文字の書き方に問題があったりと、お子さまによっては、さらにきめ細かく手助けする必要があるかもわかりません。

しかし、小学5年生・6年生になれば、緩やかなスケジュール管理と学校研究などに専念して少し距離を置いたほうがいいでしょう。学習内容が難しくなってくるのもさることながら、自律的な学習をしなければ能力を高めることができなくなるためです。

単に志望校への合格のみを考えるのであれば、徹底的に教え込むという方法が効率的です。

しかし、それでは中学受験を通して人間的に鍛えられるというチャンスを逃してしまうことになります。

教え込まれたお子様は、中学入学後、受験勉強から解放されて勉強しなくなり、仮に勉強の必要性を感じても、自ら学習する方法がわからず、常に誰かに教わらなければならなくなります。膨大な費用とエネルギーを投資してそんな人間を作り出すのは本当におろかなことです。

中学受験を始めるにあたって、これからの見通しと心がけてほしいポイントをあげました。

受験は長距離マラソンと同じですので、スタートでダッシュしすぎると途中棄権の確率が高まります。ゴール直前でのラストスパートができるようなペース配分を心がけください。