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現代のリテラシー

今教育を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。人口減少・超高齢社会へと移行しつつある日本にとって、世界を市場としなければ日本の産業は生き残れなくなりつつあります。その担い手となる人材が今の子どもたちですから、新しい技術革新を担える理工系の能力と世界へ情報を発信できるコミュニケーション能力が必要とされます。さらに開発・コミュニケーション・情報処理になくてはならない道具がコンピュータです。したがって現代のリテラシー(読み書き能力)とは、数式・英語・コンピュータを使いこなせる能力といってもよいでしょう。

もちろん、確実な国語力や手作業の重要さは変わりませんが、それと同等以上に数学・英語・コンピュータは必須の技術となります。

コンピュータ教育の試行=Edubuntuの導入

現在ICT(Information and Communication Technology)関連の教材や機器は数多くありますが、費用対効果を考慮すると一気に導入するだけの説得力を持ったものはありません。

また、現在windowsに代表されるような商用OSは企業活動にはなくてはならないものですが、教育の世界には高価すぎます。

そこで、OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)であるLinuxという無料で配布されるOSを、学習の道具として活用できないか試行したいと考えています。

その中でもEdubuntuという教育用プログラムを数多く含むOSをインストールしたパソコンを生徒の皆さんに自由に使ってもらう予定です。

多種多様なソフトウェアを無料で使用することができます

ここに含まれるソフトウェアには、小学生から大学生あるいは社会人まで利用できるものが数多くあります。たとえば、小学生用にはさまざまなパズルやゲームがたくさんあり、算数の計算能力や論理・推論を鍛えることができます。あるいは漢字やアルファベットを覚えたり、タイピングの練習をすることもできます。

中学生や高校生用には、計算やグラフの問題を扱う「KAlgebra」や分数や図形の問題ができる「KBruch」「Kig」など複数の数学プログラム、あるいは物理の実験をシミュレートする「Step」なども用意されています。

また、漢字や英単語を覚えるためのゲームやフラッシュカードのプログラムも用意されているので、自分だけのオリジナル単語帳を簡単に作ることができ、効率のよい学習をすることができます。

その他、画面に地球儀や地図をあらわしたり、仮想プラネタリウムで、惑星、彗星、小惑星などの宇宙のさまざまな物体をシミュレートすることもできます。

 英語を道具として自ら学び取らなければならない

OSSの世界は、無償で提供される代わりに、自ら学び取らなければなりません。情報はインターネットによって世界中から集めることができますが、それを読み取る能力がなければ、それを活かすことができません。ただ、各国にコミュニティーがあり、有益な情報を自国の言葉で提供しています。EdubuntuはLinuxの中ではwindowsの操作感に近くて人気があるubuntuの派生ディストリビューションなので、日本語環境や提供されるソフトも情報もかなり充実しています。

しかし、すべてのソフトのすべての項目までが日本語化されているわけではないので、必然的に英語の説明を読まなければならないことも数多くあります。ただこのことは、教育的立場からすれば非常に有益なことでもあります。なぜなら、英語を道具として使わざるを得ないからです。

英語の勉強といえば、入学試験に合格するためだとか、日常会話を話せるようになって外国旅行に行くためだとか考えている人もいるかもしれませんが、Linuxを使いこなす中で、もっと身近に英語が必要とされる場面が生じてくるのです。

古いパソコンを復活させるお手伝いをします

スマホが普及してめったにパソコンを立ち上げないという家庭も多いかと思います。あるいはwndowsXPのサポートが切れた後、新しいパソコンを買っていないという家庭もあるでしょう。もし、そのような活用されていないパソコンがあれば、ぜひともEdubuntuをインストールして、お子さまの学習にお役立てください。

導入の仕方について、ご相談があればいつでも応じますし、東日本橋進学教室曳舟校までパソコンをお持ちくだされば、こちらで無料でインストールします。

お子さまの学習とともに保護者の方もコンピュータスキルの向上を目指されてはいかがですか。