今必要なICT

昨今ICT(Information and Communication Technology)教育が声高に叫ばれています。県立高校の新入生全員にタブレット端末を持たせた自治体さえ出たくらいです。

私自身も昨年来、ICT関連の教材や機器を「子どもたちが学ぶ」という視点から見て回っています。

さまざまな視点でいろいろな評価はできると思いますが、ICT教育とはいったい何を目指すものなのでしょうか。

教育の情報化

現在、文部科学省で進められている教育の情報化の柱は次の4つです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305484.htm

  1. 情報活用能力の育成
  2. 学びの場における情報通信技術の活用 デジタル教材、情報端末・デジタル機器・ネットワーク環境
  3. 特別支援教育における情報通信技術の活用
  4. 校務の情報化のあり方

詳細はリンク先をご覧ください。

大まかに言えば、教える立場からのICT活用が中心となっています。見方を変えれば産業育成の立場と言ってもいいかも知れませんが。

ともあれ、インフラ整備中心であることは間違いありません。


実際、現在出回っているICT関連の教材といわれるものも、結局紙媒体の教材をデジタル化したに過ぎないものが多いような気がします。

確かに理科や社会では、紙上からでは伝えにくいものも多いので有効ではあり、豊富になりつつあるデジタルコンテンツをいつでもどこからでも閲覧できることは非常に魅力的なことです。

また英語学習でも画像や音声を直接視聴して学べたり、インタラクティブ(interactive=双方向)な学び方ができるなど、これまでの学習方法から比べたら格段の進歩です。

学習者に必要なICT

ただ、個人が学ぶ上で必要なことは何かといえば、コンピュータを利用した情報の加工技術ではないでしょうか。

集計・分析・グラフ化・文章化

今や、さまざまな数値情報をインターネットを通して容易に入手できますが、一連の数字を眺めているだけでは、その特徴を読み解くことはできません。

数値の示す全体像を把握して評価し活用するためには、それらの数値情報を分析し、グラフ化することが必要です。

それにはマイクロソフトのエクセルに代表される表計算ソフトを利用するのが一番手軽で便利です。

計算機能だけでなく文章を作成する上でも、実に便利な道具です。

マクロ使用によるプログラミング入門

 表計算ソフトを使う際に、さらにマクロ機能を使えば、一連の作業を効率化することができます。

また、記録されたマクロを編集してみるとプログラミングの仕組みを学ぶこともできます。

文章の作成・思考の整理

コンピュータを使えば、文章作成も容易です。

文章を書くためには、思考を整理しなければなりませんが、マイクロソフトのメモ帳などテキストエディタを使えば、最初は断片であったものを関連付け、ひとつの流れにまとめるという作業が実に容易です。

私自身も、手書きのときは書くスピードが思考のスピードに間に合わずもどかしさを感じたものです。しかし、タイピングの技術が上達するにつれてそれらがちょうど合うようになってきました。

また、一旦書いた文章を加工しなおすのも容易ですので、過去の文章を材料にまた新たな文章を作り出すことも簡単にできます。

ハードウェアのメンテナンス

このように、学ぶための道具としてのコンピュータはいまや必須のものですが、突然動作を停止することもあります。

CPUやマザーボードが壊れるということはめったにないと思いますし、windowsXP以降になるとフリーズ(画面が突然動かなくなること)することも格段に少なくなったような気がします。

しかしそれでもHDD(ハードディスクドライブ)は確実に消耗しますし、SSD(ソリッドステートドライブ)ならなおのこと突然死するかも知れません。

ですから、道具としてコンピュータを使いこなすためには、データのバックアップを取ったり、HDDを交換したり、あるいはOSの再インストールをしたりするなど、最低限のメンテナンス技術は必要でしょう。

最初の一歩

では、何から学び始めるか。

まず、コンピュータに触れること。そして不具合が生じたら、原因を突き止めること。この繰り返しによって徐々に知恵と技術が蓄積されていきます。

だからまず、パソコンで遊びましょう。