これはいつも子どもたちに言う言葉。
汚い字を書く子どもは、いらいらしています。
心が落ち着いていないと丁寧に字を書くことはできません。
勉強する前に、漢字練習や計算練習をしてはいかがでしょうか。
勉強するにも準備運動はいるんです。
漢字練習や計算練習は勉強ではない、といえば言いすぎですが、いわば準備運動や基礎練習みたいなものです。
漢字をマス目に埋めていったり、筆算するときにケタごとに縦にそろえてまっすぐかいたりすることは、勉強をあまりしていない段階の子どもにとって、それだけでストレスを覚えるようです。
ノートや計算用紙の使い方でも、いきなり中央にでかでかと文字や数字を書き始めたり、ページのほんの一部を使っただけで次のページに進んだりしているのは、いらいらの現れです。
じっといすに座って文字を書くという作業にも体力は必要なのです。
だから、勉強する大前提として、いすに座って文字を書き続けるという基礎体力を身につけていなければなりません。
基礎トレーニングは毎日続けなければなりません。
運動選手はトレーニングを1日休むと元に戻すのに3日かかるといわれます。
運動選手でなくても、運動することが習慣化すると、そのペースが崩れたときに体の調子が狂ってくるようになります。
私は週に2回のペースでプールに通っていますが、季節講習会などでこのペースが崩れると、肩こりや腰痛が出始めてしまいます。
漢字や計算も同様で、書かない漢字は忘れるし、長い間計算していないと今まで無意識にしていた計算ですら、とっさに計算できなくなります。
繰り返すことの喜びを知る
同じことを繰り返すのは一見苦痛に感じるかも知れませんが、決していやなものではありません。
私の水泳を例にすると、1回に泳ぐ距離は3000メートル、25メートルプールを120回行ったりきたりしています。
同じ水底と同じプールサイドを目にしながら頭の中にあるのは、今何往復しているかを忘れないための数字だけ。
そして無理なく泳ぎ続けるために決して呼吸を乱さないということ。
逆に言えばほかのことを考える余地がないので、すっきり気分転換ができます。
漢字練習や計算練習でも、漢字を完全に覚えられたとか、計算ミスがひとつもなかったとか、喜びはいくらでも見つかるはずです。
子どもたちにも、自分なりの楽しみ方を見つけてほしいものです。
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