文系と理系

韓国では、文系大学の卒業生は就職が難しいという理由から、高校生の7割が理系を選択しているそうです。

理系学生を多く採用する韓国企業の言い分は、「ITに関する知識や理工学系の思考方法が必要なビジネスが多いから」「理工学系の方が技術のトレンドを知っていて現場ですぐ使えるから」というものだそうですが、はたしてそれは正しいのでしょうか。

ITに関する知識は理系の知識とは限らない

一口にIT(Information Technology=情報技術)と言っても、いろいろな技術を含んでいます。

多くの人にとって必要なのは、技術に関する知識というより、自動車の運転のような操作能力にしか過ぎません。

たとえば、多くの人は、ホームページを作るのにテンプレート=雛形やアプリケーションソフトを使いますし、今ここで書いているブログなどは、プログラムということを一切気にすることなく、文字入力のみに専念していることがほとんどです。

あるいは、プログラム言語と言われるHTMLやC言語であっても、むしろ英文法を学んで英文を読んだり英文を書いたりするようなもので、「理系」と言われるような能力が必要であるとは思えません。

論理的に考えるのに文系も理系もない

算数や数学ができれば理系、そうでなければ文系という分類がなされていそうですが、そのことに何か意味があるのでしょうか。

もともと分析的な研究手段をとらざるを得ない自然科学系の思考を理系的思考と呼んだのかも知れませんが、いまやどの研究分野も分析的論理的思考は必要です。

必要なのは以前このブログでも書いた現代のリテラシー能力であり、ICTなのです。

新たな知識を得るための受容器を備える

いまや爆発的に技術が進みつつある中で、文系だからやらなくてよい、理系だからやらなければならない、などという領域はなく、またそのような発想はやめるべきでしょう。

必要な知識や技術を貪欲に取り入れるための、柔軟に対応できる脳の受容器を備えなければならないと思います。