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親子で消耗しないための塾通い(その4)

多くの中学受験生が、小学4年生でその準備を始めます。

親子ともに緊張と覚悟を持って 難しい勉強を始めることでしょう。

そして、希望の中学に入れるようできる限りの努力を惜しまないことと思います。

ただ、スポーツと同様、最初から張り切りすぎると長持ちしませんので、力を抑え目にスタートしてみてはいかがでしょうか。

スタートはゆっくり、呼吸が無理なくできるスピードで。

私が泳ぐときはまずはその日の体調を知るためにゆっくりスタートします。

500メートルあたりから体が温まり、1000メートルに達したころやっとその日の体調が万全であることを知ります。

重要なことは息が苦しくなるようなことは絶対にしない、ということです。

筋肉の痛みには耐えることができても、息苦しさに絶えることはできないからです。

何度も繰り返しますが子どもの成長のスピードはばらばらです。

ですから、成長が追いついていない子どもに、できないことを要求しても、当然できるようにはなりません。

たとえば、計算練習や漢字練習を毎日行うことができないのであれば、まだ基礎体力がついていないのと同じですから、特殊算や文章題をやらせるのは無理です。

そういう子どもは文章を音読したり文字を書いたりすること自体に慣れていない場合も多いようです。

その場合は、教科書の音読・漢字の書き取り、計算練習などを毎日行うことだけに専念すべきです。

長距離競技で勝ち残る方法

長距離走などで、最初から全力で走り出す人は最終ゴールまでたどり着こうとは思っていないのでしょう。

一瞬でもほかの人より先に走ることができたというだけで満足しているように思われます。

長距離競技で勝ち残るために必要なことは、まず、少なくとも競技から脱落しないですむように、最後まで走りぬくことだけを考えることです。

中学受験でよく見る光景は、次のようなものです。

4年生の間は、学習内容がまだそれほど難しくなく量も多くないので、親がつききりで面倒を見れば、テストの成績もすぐによくなります。

また、算数や国語に比べ社会や理科は勉強しやすく、学習時間に連動して成績も上がりやすいので、算数や国語よりも理科や社会を優先してしまいます。

ところが、5年生になると入試問題レベルの問題がちらほら出てきて難しくなると同時に、勉強を見ている親のほうもいつまでもつききりというわけにも行かなくなります。

すると、一人で勉強する習慣がついていない子どもは、勉強そのものがいやになって受験をあきらめるという結果になります。

一人で戦える術を身につける

これから子どもたちは中学受験のみならず、高校受験・大学受験・就職試験などの関門をくぐらなければなりません。

その第一歩での対応次第で、その後の難関を突破する能力を得られるか否かが決まります。

それらの難局を打開するためのアイテムは、勉強はすべきものだという意識と、毎日勉強する習慣と、目標達成のための計画を立て実行するという手法です。

一人で戦うためのこれら三つの術を身につけるための修練の場として、中学受験を捉えてはいかがでしょうか。