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5年生からの中学受験(3)

5年生から受験勉強を開始する場合、算数→理科・社会→国語の順に優先順位をつけると比較的標準進度に追いつきやすいと思います。

最後に国語を持ってきたということは、国語はあまり大切ではないのかといえば、むしろ逆で国語が最も重要な科目です。

ではなぜ国語は最後かといえば、次のような理由からです。

勉強するとは本を読むこと

そもそも勉強するとは本を読むことです。

本を読んでもわからないことは、人に聞くしかありませんが、まずは自分で本を読むことが出発点です。

書かれているものを正確に読み取り解釈を加えるという社会の学習は、言ってみれば国語学習のようなものです。

理科で計算を必要とするような分野であっても、その解説部分はやはり文字情報ですから、それを読み取り再現できなければなりません。

算数が読解力の養成に役立つのではないかという意見もすでに書いたとおりです。

したがって、本を読んで理解できる、という意味での国語力はすでにあるという前提で話を進めます。

中学受験に必要な国語力

中学受験生は基本的な読解力がすでにある、という前提に立って考えると、その差が出るのは知識量と表現力の違いです。

幅広い分野に興味を持ち、読書スピードが速いというのであれば、中学受験の準備はいつ始めてもそれなりのレベルに到達することは難しいことではありません。

しかし、たいていの小学生はそれほど読書好きとも言えず、興味や関心も限られています。

ですから、まず漢字の読み書きや慣用句・ことわざなどのような基礎知識を覚えていくのが、最初になすべきことです。

暗記することの大切さ

暗記するというと、あまり頭を使わないことのように思う人もいるかもしれませんが、必要な知識が頭の中にあってすぐに取り出せる状態にないと、その知識は使い物になりません。

それに、どのような方法で、どの位の練習をすれば暗記できるようになるか、という自分の能力を知らなければ、試験のための準備をいつごろ始めたらよいのかも見積もることができません。

漢字テストに向けての練習はそうした記憶力を養う訓練にもなります。